愛媛県で行われたみきゃんNFTによる実証実験には、とても興味深い結果が出たことをご存知でしょうか?
NFTを触ったり、NFTを販売する事業に関わったことのある人なら、一度はこう思ったことがあるはずです。
「NFTを購入する人は元々NFTを知っているのか?」
「ご当地NFTと言っても、購入するのは結局母数の多い東京住みの人じゃないか?」
「地元還元型のNFTを購入するのはどの年齢層の人か?」
実はこれらの結果は、愛媛県の自治体で行っているみきゃんNFTに詰まっています!
今後のNFT販売・購入するNFTの指標・情報発信にも活用できると思うので、気になる方はぜひ最後まで読んでください。
- みきゃんNFTの概要
- みきゃんNFTを使用した実証実験
- みきゃんNFTの実証実験をした結果
- みきゃんNFTの結果からわかること
みきゃんNFTの概要
正式名称 | みきゃんNFT |
コントラクトアドレス | 0xCce6aFE397Dcd8B2aB9cDb2a9a609Dcc81c34f90 |
配信日(全4日間) | 12月27日 1月10日 1月13日 1月23日 |
配信枚数 | 604枚 |
配信での獲得者数 | 230人 |
発行枚数 | 1365点 |
みきゃんNFTとは、愛媛県のイメージキャラクターとして知られている「みきゃん」をNFT化したデジタルアートのことです!
元々職場で使われていたドットみきゃんや、その他県内外のクリエイターや高校生の作成したみきゃんのデジタルアートを募集してそれをNFT化したものとなっています。
種類は全部で17種類となっており、指定された各4箇所を回ることで手に入れることができます。
この活動は最後に愛媛県、DeNA、デジタルハリウッド松山分校などが協力して、NFTの発行や流通・促進を行っています。
具体的には、デジタルアートのNFT化、ウォレットアプリの導入セミナー、Web3.0の普及活動などが行われ、このみきゃんNFTにも関わっています!
みきゃんNFTの入手方法
みきゃんNFTは実際に指定されている4つの場所に足を運ばないと、入手することができません。
みきゃんNFTは、事前に伝達されている配信場所でQRコードを読み込み、フォームに必要事項を入力することで後日みきゃんNFTを受け取ることができます!
その際に入力した内容が今回の実証実験の肝となっています。
また、指定された場所は以下の通りです!
- 愛媛県庁本館(愛媛)
- えひめ愛顔の観光物産館(愛媛)
- せとうち旬彩館(東京)
- シークレット会場(四国のどこか)
みきゃんNFTを使用した実証実験とは
みきゃんNFTはただの自治体×NFTの事例ではなく、NFTを使用した実証実験としてアンケートに答えた方のみに配布されています。
その1ヶ月後にまたアンケートを配信し、その結果で2つの項目を検証しました。
検証1.無料で配布したNFTが2次流通をするか
みきゃんNFTでの実証実験1つ目は、無料で取得したみきゃんNFTが2次流通をするかどうかです。
NFTはスマートコントラクトによって2次流通によって売買された額の一部をクリエイターに還元することができるので、その還元された金額を次年度以降の事業設計やクリエイターエコノミーの活用に使用します。
その性質を利用して、無料のNFTでも還元や転売を目的とした2次流通が起きるのかどうかを検証します。
検証2.みきゃんNFT入手による愛媛への関心変化
みきゃんNFTを入手する際に回答したアンケートと、その後1ヶ月後に同じアンケートをとって比較します。
その時の回答の推移によって、NFT取得直後と取得から1ヶ月経った状態で愛媛県への関心に変化があるかを検証することが可能です。
想定質問は以下の通りです。
- 愛媛県に対する意識(愛媛県の認知度、興味関心度、旅行意欲・商品購入意欲、ふるさと納税意欲)
- NFTに対する意識(NFTの認知度、NFTへの興味関心、取得したNFTの活用イメージ、2次流通の意向)
- みきゃんに対する意識(みきゃんの認知度、みきゃんへの興味関心)
みきゃんNFTを使用した実証実験の結果
検証1の結果
みきゃんNFTはOpenseaにて2次流通が確認されました!
スマートコントラクトによるクリエイター側への手数料還元に関しては、ちょうど法令上の観点での危険性を危惧したため検証を見送っています。
Openseaでは2次流通の出来高が0.097ETHで、販売件数は201件となっています。
検証2の結果
NFT入手直後のアンケート回答数は84件、それに対して1ヶ月後の回答数は65件となっています。
県民の愛媛県に対する思いは以下の通りです。
・愛媛県に対する想いを質問したところ、県内在住者の約9割が「愛媛県を盛り上げたい」と回答
➡第2回でも「愛媛県を盛り上げたい」意欲が下がらなかったことから、地域活性化に積極的な県民がみきゃんNFT
を取得していることが分かった。
・また、自由意見でも愛媛県を盛り上げたい旨のコメントや、行政がNFTに取組むことを歓迎する意見が多数あった。
➡行政としての新しい技術に対する積極的な取組みが、住民を巻き込んだ地域活性化に繋がると推察される。
抜粋:https://www.pref.ehime.jp/h12110/web3/documents/web3report.pdf
県外の方の愛媛県に対する思いは以下の通りです。
・NFTを取得した県外在住者の愛媛県への想いを分析したところ、県産品の購入や観光、ふるさと納税といった
関わり方を志向する回答の割合が高い
➡関係人口を広げる手段としてのNFTの活用に効果があると推察。
・第2回の回答と比較すると、県産品の購入やふるさと納税に対する意欲は減少したものの、愛媛県への旅行に対する
意欲が大きく増加
➡旅行需要の増加等の環境要因はあったかもしれないが、NFT取得を通じて旅行先としての愛媛県の認知が
高まったと推察。
抜粋:https://www.pref.ehime.jp/h12110/web3/documents/web3report.pdf
検証2の結果からわかること
県民の意見で言うと、愛媛県を盛り上げたいという意欲からNFTを入手しているとわかる。
NFTに元々興味があった人ももちろん多いと思うが、愛媛県の取り組みとして参入してきた方もいるのではないかと考えられますね!
実際に保有したことのある方は5割ほどなので、愛媛県の自治体発であるNFTや無料でもらえるからといった要素も大きいのではないかと考えられます。
よって地方創生×NFTというカテゴリーはNFTの発展と、地域活性という観点からとても有効であると考えられます!
地方創生ねっとでは、この実証実験を元にもっとたくさんの事例が出てくれば良いなと思います!
みきゃんNFTのまとめ
- みきゃんNFTは実証実験としても役割もある
- みきゃんNFTは現地配信型のアンケート機能付き配布
- みきゃんNFT保有者の半分はNFT未保有だった
- みきゃんNFT初期保有者は愛媛県の盛況に前向きな人が多かった
- 結論:WEB3と地方創生の相性は良いと考えられる
自治体と連携すれば、実証実験の規模も拡大できるでしょうし今後47都道府県での調査などを1つずつやっていったら大きな話題を呼ぶのではないでしょうか?
ふるさと納税以外でも貢献できる方法があれば、地域活性という観点からさらに盛り上がるのではないかと考えられます!
今後の地方創生×WEB3がもっと盛り上がっていけば幸いです!
↓「みきゃんNFT」所有者向け↓