web3を活用して地域の関係人口創出を目指す「KOKYO NFT」の第二弾|3月3日販売開始の「Premium Sake NFT -uka-」に込められた想いとは

JAL・博報堂が連携し、地域ならではの特別な体験や現実資産(RWA)をNFT化することで、国内外の購入者を地域の関係人口に変えていくプロジェクト「KOKYO NFT」

そんな「KOKYO NFT」が第二弾で発表した6種類のNFTから、3月3日に販売開始する「Premium Sake NFT -uka-」について以下の4名に詳しくお話を伺います。

3月3日販売開始の「Premium Sake NFT -uka-」について

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株式会社博報堂
チーフビジネスプロデューサー
岸井弘一さん

普段はクライアントのマーケティングコミュニケーション領域の課題解決に従事しつつ、日本航空、博報堂ミライの事業室メンバーらと共に「KOKYO NFT」の
実証実験に参画。

日本航空株式会社
事業創造戦略部
高橋翔
さん

JALグループの新規事業開発の企画・推進に従事。
博報堂との共同事業としてKOKYO NFTを企画から運営に至るまでプロデュース。

SEEDER株式会社
ビジネスデザイナー
伊沢勇作
さん

大手企業を中心に0→1の新規事業開発/商品開発支援に従事。
今回のKOKYO NFTでは、昨年の第1弾実証実験のローンチからJAL・博報堂を継続して支援している。

PONT株式会社代表
脇山雄気
さん

NFTを活用したロイヤリティプログラムを簡単に作成できるプロダクト「beyondClub」の代表。KOKYO NFTでは、サイト開発・デザインと“Origami NFT”を活用したプロモーション部分を支えている。

株式会社博報堂
チーフビジネスプロデューサー
岸井弘一さん

普段はクライアントのマーケティングコミュニケーション領域の課題解決に従事しつつ、日本航空、博報堂ミライの事業室メンバーらと共に「KOKYO NFT」の実証実験に参画。

日本航空株式会社
事業創造戦略部
高橋翔
さん

JALグループの新規事業開発の企画・推進に従事。
博報堂との共同事業としてKOKYO NFTを企画から運営に至るまでプロデュース。

SEEDER株式会社
ビジネスデザイナー
伊沢勇作
さん

大手企業を中心に0→1の新規事業開発/商品開発支援に従事。
今回のKOKYO NFTでは、昨年の第1弾実証実験のローンチからJAL・博報堂を継続して支援している。

PONT株式会社代表
脇山雄気
さん

NFTを活用したロイヤリティプログラムを簡単に作成できるプロダクト「beyondClub」の代表。
KOKYO NFTでは、サイト開発・デザインと“Origami NFT”を活用したプロモーション部分を支えている。

目次

クニノチカラプロジェクト「KOKYO NFT」とは

ーーー(編集部)本日はよろしくお願いします!まず改めて「KOKYO NFT」について教えてください!

博報堂 岸井さん

コロナの収束後、世界中の様々な調査で、日本は「最も訪れたい国」の1位に選ばれています。
ですが、その選ばれる理由にもまだなっていない、ガイドブックやSNSではあまり紹介されていない、その地域ならではのユニークな商品や体験が数多くあります。

KOKYO NFTは、日本の地域の魅力を堪能し、現地の人々との繋がりを感じられる特別な体験をパッケージにしたNFTです!

その繋がりによって、NFT保有者はその地域を一度訪問して終わり、ではなく、再び、そして何度も繰り返してその地域を訪れるようになる。いつしかそこが「第二の故郷 – KOKYO -」へと変わっていく。
この流れこそが、JAL・博報堂が提案する新たな旅のカタチです。

(KOKYO NFT HPより抜粋)

ーーー(編集部)クニノチカラというキーワードが気になります!プロジェクト名をこの名前にした理由や込められた想いなどがあれば教えてください!

博報堂 岸井さん

日本の人口がこれから激減する中でGDPも世界4位となり、毎日のように「日本はダメだ、日本は沈む」との記事を目にしますよね。

実は私も評論家気取りで自分の息子に「将来は海外に出ろ」と話したら、息子から「なぜ日本はダメなの?」と問われて、はじめて気付いたんです。経済がどうのこうの、資源がどうのこうのじゃない。自分たちが自分たちの住んでいる国を本気で元気にしようとしていないからだ、と。

日本に住む全ての大人たちが、日本に住む全ての子どもたちに、日本の未来を明るく語れるようにしたい。日本は47都道府県、約1800の市区町村の集まりです。その地域のチカラを結集して、日本のクニノチカラを底上げしたい。私たちがそのエンジンのひとつになりたい、という想いから名付けました!

(KOKYO NFT HPより抜粋)

ーーー(編集部)なるほど…確かに現在日本経済の衰退や人口減少はかなり問題視されていますよね。では、その問題の解決策としてNFTという手段を選んだのは何故ですか?

JAL 高橋さん

大きく3つの理由からです。
①「旅の体験」という無形の商材をデジタル=NFTに置き換えることで、権利化を証明することができる。
②中長期にわたって体験できる権利を持つことで、繰り返しその地に訪れるきっかけになる。
③日本の地域の魅力をWEB3の文脈に載せることで、海外へのアプローチがしやすくなる。

JAL 高橋さん

これらの要素を満たしているものとして、NFTを使用するのが良いのではないかと考えました!

ーーー(編集部)デジタル住民やコミュニティ参加権としてのNFTは関係人口創出にうってつけですよね!最初からNFTを使うという発想はあったのですか?

JAL 高橋さん

関係人口を増やすことによって地域活性を目指すというビジョンはありましたが、最初からNFTを使用することが決まっていたわけではありません。というよりほぼ想定していなかったです。
この取り組みでは“国内外から関係人口を創出する”という部分に重きを置いていました。

(KOKYO NFT プロジェクトよりご提供)
JAL 高橋さん

その中で私たちがベンチマークとして置いたのは、エストニアの「デジタル住民」と呼ばれるもので、かなり私たちのイメージに近しいものだったと思います。

JAL 高橋さん

実は自治体の方にも一度デジタル住民という形の提案をしたことはあったんです。ですがその提案だと、どうしても行政サービスと連携を第一に想起させてしまい、私たちが思い描く関係人口創出の目標イメージになかなか辿り着きませんでした。
もちろんデジタル住民も関係人口創出のひとつの形だと思いますが、私たちは一度デジタル住民から離れて、NFTを体験する権利の証明書として活用する。
そんな考えから「KOKYO NFT」という取り組みの形になりました!

第一弾と第二弾の「KOKYO NFT」における大きな違い

ーーー(編集部)「KOKYO NFT」は今回第二弾ということですが、第一弾の取り組みから得た学びや気づいたことがあれば教えてください!

JAL 高橋さん

そうですね…単純にプロモーションが足りなかったなと考えています。

第一弾では、奄美大島の黒糖焼酎と三重県鳥羽の真珠婚式の2つのNFTをリリースしました。
ただ、正直にいうと私たちも具体的にどのような人たちが関心をもってくれるのかイメージを明確に持てていなかった。プロモーションも、私たち自身の会社もしくは地場の事業者さんの持っているオウンドメディアへの掲載が主なものでした。

JAL 高橋さん

その結果目標の販売・ホルダー数に届かず…
4P(製品[Product]、価格[Price]、流通[Place]、販促[Promotion])の観点でもう少し掘り下げて考える必要があったのかなと。

第二弾は特にプロモーションに力を入れており、NFTのロイヤルティプログラムを得意とするbeyondClubの方々にもたくさんサポートいただいています。
デジタルに精通している方や、デジタル x 旅行の分野に興味がある人に向けてアプローチができればと思って今回はプロジェクトを進めているというのが違いかなと思います!

ーーー(編集部)なるほど!確かに今回から「KOKYO NFT」では”Origami NFT”という新たな機能が実装されていますね!”Origami NFT”とはなんでしょうか?

beyondClub 脇山さん

“Origami NFT”は、ダイナミックNFTといって、ずっとひとつの画像が表示されるNFTと違って画像がどんどん変化していくNFTです。
最初はただの1枚の折り紙ですが、1週ごとにクエストが表示され、ひとつ達成すると折り紙がどんどん折られていく仕組みになっています!

7つのクエストをクリアするとその折り紙が折鶴になり、見事折鶴を作った方の中から抽選でAL(10% OFF)またはWL(5% OFF)がもらえる特典がついているので皆さん活発的に取り組んでくれています!

ーーー(編集部)プロモーション施策として”Origami”を使用した理由はなんでしょうか?

beyondClub 脇山さん

やはり「国内外の関係人口を創出する」という点で、第一回では海外へのアプローチが足りていませんでした。そこで海外の方に興味関心を持っていただける面白いコンテンツはなんだろうと考えた時、折り紙は日本のコンテンツとして世界共通なんじゃないかと思い実装しました。

実際に私の会社には外国人の従業員が多くて、折り紙について聞くとみんな「昔やったことがある!」と。日本文化の共通認識として良い感触だったので、今回”Origami NFT”をプロモーションとして使用しています!

SEEDER 伊沢さん

最終的に折り紙が鶴にたどり着いた理由として、JALさんのロゴも「鶴丸」なので、その鶴と賭け合わさって、とても良いプロモーションになるのでは!と思い鶴にしました。

ーーー(編集部)国内NFT市場がかなり冷え込んでいる中、4,800人近くの方が参加しているのを見てかなり驚きました。ここまでのアクティブユーザーを獲得するための施策などはあったんでしょうか?(2月25日時点ではOrigami NFTホルダーが5,000人を突破)

beyondClub 脇山さん

大きく分けて2つあります!

まず”Origami NFT”自体がクエストを達成してもらうという仕組みになっていて、そのクエストとしてXでのフォロー・リツイートなど拡散に繋がるものがあるので連鎖的に広がっていきます。

もう一つは国内外の有力なプロジェクトの方々とAMAをして、しっかりと”Origami NFT”について告知することですね!
KOKYO NFTはAstarで発行しているので、渡辺創太さんにも発信してもらいました!web3ソーシャルメディアのPhaverさんとのAMAでは1,400人くらい参加いただいて、そこで一気にフォロワーが1,000人弱くらい増えたりしたので、そういった発信の積み重ねが今につながっていると思います!

第一弾・第二弾を共に作り上げた立役者たち

ーーー(編集部)「KOKYO NFT」で販売しているNFTの地域はどのように選定しているのですか?

SEEDER 伊沢さん

その地域ならではの魅力があること、その地域でしか体験できないことなどを基準にして選ばせてもらいました。

加えて、やはり外国人、インバウンドの方々に日本の地域の関係人口になっていただきたいので、彼らにとって魅力的かどうかというグローバルマーケティングの視点で体験を設計しています。

博報堂 岸井さん

博報堂グループのインバウンド専門事業会社である「wondertrunk&co.」社にもプロジェクトに参加してもらい、彼らがもつ日本の地域や地場の事業者さんたちとのネットワーク、更にグローバルマーケティングに関する知見やノウハウもお借りして、地域、コンテンツ、体験を掘り出していきました!

ーーー(編集部)販売するNFTの地域が決まっても、WEB3・NFTが浸透していない地方事業者の方もいたと思うのですが、どのような説明をされましたか?

SEEDER 伊沢さん

web3・NFTがまだまだ浸透していない地域の事業者さんや自治体の方々にNFTを説明することもプロジェクトを進めるうえでのハードルのひとつではありました。
ただ、昨年の第一弾と比較すると、今回の第二弾ではNFTもずいぶん浸透してきた気がします。

博報堂 岸井さん

6つのNFTすべての地域を実際に訪問し、顔を合わせて話すことで、事業者の方々の想いと私たちの想いを重ねることを大切にしました。
体験の中身、設計を固めたのはやはり現地で、ですね。それ以外の細かなやりとりはSNSでチャットしながら進めました。

ーーー(編集部)なるほど、実はみんなWEB3・NFT自体に興味はあるのかもしれませんね!事業者の方とはリリースまでの間、取り組み設計などをどのようにやりとりしているのでしょうか?

博報堂 岸井さん

このプロジェクトをやる上で「現地・現場・現物」は絶対に欠かせないものです。なのでプロジェクトメンバーがそれぞれ現地・現場に訪問して、体験しています!

博報堂 岸井さん

我々にとっては新たな事業における実証実験ですが、地場企業の方にとっては従来の事業の延長線上にあるものです。
もちろん、実証実験であることをご理解いただいた上で協働しているのですが、このギャップを埋めるべく、言葉と行動を尽くし、その上で想いを重ね合わせ、信頼関係を築いていくことが何よりも大事であると強く認識しています!

3月3日販売開始の「Premium Sake NFT-uka-」とは

ーーー(編集部)3月3日に販売を開始する「Premium Sake NFT-uka-」はどんなNFTですか?また、取り組み全体の概要もお聞きしたいです!

博報堂 岸井さん

「雨下-uka-」というのは茨城・水戸の明利酒類さんがつくっている日本酒で、「雫落とし製法」というものすごく時間と手間がかかるつくり方のため、年間で2,000本しかつくれない貴重なお酒です!

そんな「雨下-uka-」をNFT化し、購入していただいた方には①「雫落とし製法」の見学を含む酒蔵ツアー体験と、②現地ならではの生酒の「雨下-uka-」をプレゼント、そして③「雨下-uka-」の優先購入権がついているVIPカードをプレゼントするという特典がついています!

(KOKYO NFT HPより抜粋)

ーーー(編集部)「雨下-uka-」を製造・販売している明利酒類さんの、普段の事業内容や特徴を教えてください!

博報堂 岸井さん

明利酒類さんは、ルーツは江戸時代末期にまで遡る歴史のある酒蔵さんで、実は日本じゅうの日本酒の約1/4ぐらいは明利酒類さんから生まれた酵母を使っています!
最高の日本酒をつくりたいという想いから、通常の機械で搾る製法とは違い、重力で自然に滴り落ちるのを待つ「雫落とし製法」で「雨下-uka-」がつくられました。

今回は明利酒類の4代目になる加藤さんにご協力いただいて「Premium Sake NFT-uka-」をつくりました。
加藤さんは実は元・博報堂社員で、社員時代に「ブロックチェーンイニシアチブ」という社内横断組織を立ち上げた一人。
今は蔵元として、「何か新しいことを発信していきたい」と考えられていたところに、ちょうど私たちがタイミングよく声を掛けたようで、「やりましょう!」と即答いただきました。

左:明利酒類 加藤さん
右:博報堂 岸井さん

ーーー(編集部)「Premium Sake NFT-uka-」の取り組み設計の裏側についてお聞きします!現物のプレゼント・酒蔵ツアー・VIPカードの特典はどのように決まったのですか?

博報堂 岸井さん

明利酒類の加藤さんとは、販売価格から体験設計の細部まで、とことん議論し尽くしましたね。とてもアツい方なんです!
その中で加藤さんが特にこだわりを持っていたのが、“お客様の払うお金と自分の提供するモノ・コトの価値を絶対にイーブンにしたい”という想いでした。

今回であれば、「NFTを購入いただいた方にしてもらう体験が、そのプレミアムさに満足していただけるものにしたい」というところからスタートしています!

博報堂 岸井さん

まず「雨下-uka-」という商品そのものも、今回のNFTでは通常の「雨下-uka-」より更に限定感のあるものを提供したい。そして実際に酒蔵にきて体験してもらい、その全ての工程で満足してもらいたい。その後、体験が終わったあともずっと満足が残るようにしたい。

この3つの想いから、特典が成り立っています!

(KOKYO NFTプロジェクトよりご提供)

ーーー(編集部)最後にこの「Premium Sake NFT-uka-」の購入者の方に向けて、どんな想いが伝わってほしいと考えますか?

JAL 高橋さん

第二弾の6つのNFTは、いずれも事業者の方々の意見やこだわりが詰まっているものになっているのですが、この「Premium Sake NFT-uka-」は特に「お客様への想い」がとても強いと思っています。
加藤さんは「Premium Sake NFT-uka-」を購入した全ての方々と直接繋がる!と仰っていますから。

体験日が4月5日・6日に決まっているゆえ「Premium Sake NFT-uka-」のみ販売日が他より少し早く、ALや現在のキャンペーンは対象外になってしまうのですが、逆に、いち早く「雨下-uka-」の魅力と体験を感じてもらえるNFTとなっている、と言えると思います!

JAL 高橋さん

「KOKYO NFT」全体にも繋がるのですが、やはり「Premium Sake NFT-uka-」を通して明利酒類さんに来た際にはそれだけに留まらずに、茨城・水戸の現地の魅力、素晴らしさを感じていただきたいです!
「Premium Sake NFT-uka-」をきっかけに、またこれから販売される6種類のNFT全てをきっかけにして、その地域全体の魅力にも是非皆さんに触れていただきたいと思っています!

ーーー(編集部)本日はありがとうございました!皆様ぜひ3月3日発売の「Premium Sake NFT-uka-」を購入してみてください!

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