沖縄県で唯一百貨店を経営するリウボウ商事は、沖縄の「コト」をNFTを通して世界中に届ける「RYUKYUVERSE」を展開しています。
どのようにしてこの”RYUKYUVERSE”は生まれたのか、どのような想いで取り組まれているのかについて株式会社リウボウ商事の花岡康司さんにお話を伺います。
NFTを通して「コト」を販売する「RYUKYUVERSE」
ーーー(編集部)本日はよろしくお願いします!まずは改めてRYUKYUVERSEについて教えてください!
RYUKYUVERSEは、沖縄が誇る名産品や工芸品の販路拡大や地域経済を資金面で支援する「地域特化型」の日本”初”となるNFTマーケットプレイスです。
仮想通貨やガス代はかからず、クレジットカードでNFTを購入することが出来ます。
ーーー(編集部)RYUKYUVERSEという事業をやるに至ったきっかけや背景について教えてください!
元々は沖縄にて”ふるさと納税の返礼品”の開発・開拓を行っていこうと考えていました。そんな中様々な事業者の方々と話している中で、新しい販路の拡大・新しい関係人口の創出・地域の活性化を目指すためにRYUKYUVERSEを作りました。
ーーー(編集部)事業の出発点が地域に関係あるところからなんですね!ふるさと納税の返礼品からNFTを見つけたと思いますが、NFTやWEB3を活用しようと思った理由はなんですか?
NFTは、北海道の余市町のNFTふるさと納税の事例からまず知りました。
沖縄はその地理的な特性上、何か商品を本土に販売する場合配送料などがかかってしまいます。
何か商品を販売する際に、沖縄以外から外貨を稼ぐ(売上を立てる)場合は楽天やAmazonに頼る必要があります。売上を作れても利益は配送料や広告費でかなり圧縮されてしまいます。
沖縄県本部町の返礼品を開拓している中で、”アセロラの木”を名産品にしようと動かれているアセロラフレッシュさんと、「アセロラを本土の人に知ってもらい購入してもらうために、アセロラの木を所有してもらう」という事をやってみたいという話になりました。
その話の中で、NFTを通した「コト」を消費する形にすることができれば、新しい販路を拡大することが出来るのではないか?という考えからNFTを活用することを決めました。
ーーー(編集部)沖縄ならではのビジネス上のハンディキャップが存在するんですね、、
RYUKYUVERSEでは「チバリヨーNFT」や「レキオNFT」など面白い仕組みのあるマーケットプレイスだと思っています。どのような議論から実装されたのでしょうか?
RYUKYUVERSEの2種類のNFTの仕組みはシステムを開発するOnplanetz株式会社さんとの議論から出てきました。
「コト」を商品化するのであれば、自治体・生産者・消費者それぞれを紐づけるのが良いのではないか?というところからこの仕組みが生まれました。
ーーー(編集部)RYUKYUVERSEを立ち上げる際に、社内における反発や説明における難しさなどはありましたか?
反発などは特にありませんでした。
リウボウホールディングスの会長は、これまでファミリーマート沖縄・ファミリーマートUSAの社長などの経験があり、元々かなりブロックチェーンについて見識が深くお持ちでした。
私がRYUKYUVERSEに関する提案書を出した際にも「今後日本もブロックチェーンを活用してくだろう」と考えられていました。
そのため比較的スムーズに運ぶことができたと思います。
ーーー(編集部)RYUKYUVERSEを設計する際に感じた難しさや課題などはありますか?
私自身エンジニアではないので、アイディアベースでの話になってしまうところですね。
NFTを通して「コト」をユーザーに届けようとすると、ブロックチェーンのみの技術だけでは難しく。。商品を届けるために個人情報が必要なため、ECサイトとブロックチェーンのハイブリッド型にするのは難しかったです。
ですが、ブロックチェーンとECサイトを掛け合わせたようなマーケットプレイスとしては先駆者になれているため、その点では取り組んでみてよかったと感じています。
世界中のファンに「コト」を届ける
ーーー(編集部)確かに。マーケットプレイスとECサイトの融合のバランスは非常に難しそうですね。2023年5月にRYUKYUVERSEはローンチし、ここまで運営してきての進捗はどうでしょうか?
自治体の方、生産者の方々が期待してくれており、開発を共にしている方々も皆”次のNFTの使い方”として期待をしてくれています。
ただ、正直なところでは開発面で費用がかかってしまっており、今後様々な生産者の方々のものを販売していきたいですが資金的なところが一部心配です。
期待をしてもらっている分、今後いかに売上を作っていくかというところを考えていく必要があります。
その中で北中城村の取り組みは1つのポイントになるかと考えています。
ーーー(編集部)その北中城村のEM研究機構さんとの取り組みについて教えてください。
EM研究機構は、沖縄大学の比嘉名誉教授が1982年に開発された「EM菌」の技術開発を通して、健康飲料製造や炭の製造など様々な事業に活用していくEM菌の研究開発企業です。
現在、沖縄県北中城村に東京ドーム4個分の農業を中心とした街づくりを進めています。バイオガス発電施設の建設などから、農園や病院にも電気を提供していきます。
EM研究機構は世界に5社のみあり、EM菌に関しては世界中に1万人のファンがいるようです。そういったEM菌のファンに対してRYUKYUVERSEが「コト」を届けていきます。
こちらのNFTを購入してもらうと、そのNFTアートが北中城村のアートビレッジに展示されます。RYUKYUVERSEがファンの方々に足を運んでもらえるように貢献できればと考えています。
ーーー(編集部)かなり壮大で社会的な取り組みなんですね。ここまでのNFT販売の進捗はいかがでしょうか?
結論から言うと、”仮想通貨が非常に不評”です。
先ほどもお話したように、EM菌に関し絵は世界中で1万人ほどファンがいるようなので「結構売れていく」と言う見通しでした。
ですが、NFTを購入するために仮想通貨が必要となると、非常に手間がかかり不評でした。。
「デジタルアートを購入して、盛り上げていきたい!」と思ってくださる方は多いものの、「なぜ仮想通貨、、、」と思われてしまっていました。
その状況を踏まえて、12月19日よりクレジットカードで購入できるようアップデートしました。
興味ある方は是非ご購入ください。
WEB3・ブロックチェーンが新しい地方創生のスタンダードに
ーーー(編集部)2024年、そして今後の中長期的なRYUKYUVERSEの展開・構想について教えてください
1番の目標は日本全国への横展開です。
そのためにまずは北中城村でモデルを作り上げ、他の自治体でも活用できるようにし、北中城村→沖縄全体→日本全国と広げていきたいと考えています。
ーーー(編集部)今後のNFT・WEB3技術に対する期待や考えがあれば教えてください
NFTやWEB技術に関しては、新しい地方創生を生み出していく武器としては最適だと考えています。
3ヶ月ほど前に知り合ったブロックチェーンの世界大会で優勝した現役東大生と話すと、、
「NFTという単語を使うと、それを説明しなければならないから、NFTという単度は使わない方がよいのではないだろうか?プログラムの中身を説明するのはNFTくらいなのでは?」という議論になります。
今はまだ早い段階だとは思いますが、会員証をデジタルで安全に保存していくようなものとしてはWEB3・ブロックチェーンの仕組みは今後有効に活用されていくと思います。
また、この波は数年後に来るのではないかと思っています。
ーーー(編集部)NFTやWEB3が「新しい地方創生としての武器」についてもう少し教えてください。
新しい地方創生としては、地域に貢献する上で「投じたお金が何に使われるのか、どんな得があるのか」というのが分かるとより地方創生面で使われるのではないかと思っています。
より明確な使い道を提示していくことが出来れば、地方創生におけるスタンダードにまでなると思います。
また、地域におけるその時の課題とも照らし合わせて実行していくことは大切だと考えています。現在沖縄では、コロナもあけて観光立県として”車”が足りていないという課題が挙がっています。
北中城村では、デジタル住民票NFTをふるさと納税として出していきますが、その収益でトゥクトゥクを作りたいと話が出てきています。NFTの特典としてトゥクトゥクに乗れる権利をあげたりすれば、NFTを利用する意味も出てきますし、同時に地域の課題解決と売上にも繋がっていきます。
ーーー(編集部)常に使用用途を出す形でふるさと納税とNFTを活用していくのは非常に面白そうですし、ニュースタンダードにもなりそうな気がします!
ーーー(編集部)最後に宣伝したい内容がありましたら、ご自由にどうぞ!
EM研究機構と取り組んでいる「微生物アート」がクレジットカードで購入できるようになっています!
微生物アートは、ユニバーサルビレッジプログラムの中で掲載されるので、NFTを購入し、沖縄県そして北中城村まで遊びに来てください!!
ーーー(編集部)本日はありがとうございました!皆様是非微生物アートを購入してみてください!