「観戦」から「参加」の応援へ:スタジアムのオーナーになれるNFT|鎌倉インターナショナルFC

神奈川県社会人リーグに所属している”鎌倉インターナショナルFC”は、スタジアムの1㎡毎を所有できる「鎌倉スタジアムNFT」という新しい取り組みを展開しています。

今回は、鎌倉インターナショナルFCのオーナー室 室長である勝碕さんに、このプロジェクトのきっかけや込める思いなどを伺いました。
国内のプロチームのみならず海外クラブも興味を持ち始めているこの取り組みは、非常に面白いのでぜひご覧ください!

勝碕 俊行
鎌倉インターナショナルFC

オーナー室 室長

インタビュイー

2008年から2020年まで株式会社クロス・マーケティングにて、セールス、企画、マネジメント、事業責任者として従事。 ドローン関連のスタートアップ企業を経て、鎌倉インターナショナルFCに加入。鎌倉インターナショナルFCにて、オーナー室 室長、営業部 部長として、スポンサ ー・パートナーシップやWeb3関連のプロジェクトマネジメントなどを行っている。

インタビュイー 勝碕 俊行
鎌倉インターナショナルFC オーナー室 室長

2008年から2020年まで株式会社クロス・マーケティングにて、セールス、企画、マネジメント、事業責任者として従事。 ドローン関連のスタートアップ企業を経て、鎌倉インターナショナルFCに加入。鎌倉インターナショナルFCにて、オーナー室 室長、営業部 部長として、スポンサ ー・パートナーシップやWeb3関連のプロジェクトマネジメントなどを行っている。

目次

Web3を活用する地域に根差したスポーツクラブ「鎌倉インターナショナルFC」

ーーー(編集部)まずは鎌倉インターナショナルFCについて教えてください

鎌倉インターナショナル 勝碕

鎌倉インターナショナルFC(通称 鎌倉インテル)は、世界で最もグローバルなスポーツであるサッカーを通じて未来の日本を国際化していくため、2018年に設立された新しいサッカークラブです。

現在は神奈川県社会人リーグに所属していますが、プロサッカークラブ(Jリーグ参入)、そして世界を目指して活動をしています。

また、これまでにもWeb3を活用したさまざまな「共創・共栄型」のファン参加型クラブ運営と地域貢献を実現してきました。

ーーー(編集部)チームのこれまでの沿革について教えてください

鎌倉インターナショナル 勝碕

地域に根ざしたスポーツクラブとして、独自のスタジアム建設を通じて地域活性化に取り組んできました。

2021年10月に「みんなの鳩サブレースタジアム」(通称:鳩スタ)をオープンし、単なるサッカー場ではなく、地域の交流拠点としての役割も果たしています。サッカーだけでなく、様々なスポーツやイベントにも利用可能で、誰でも事前予約でレンタルできる施設となっています。

鎌倉インターナショナル 勝碕

さらに、鳩スタからの移転先として
2024年12月に「ゴールドクレストスタジアム鎌倉」(通称:クレスタ)をオープンしました。

このスタジアムを活用し
・サッカーを通じた国際交流と人材育成
・地域の活性化と賑わいの創出
・多世代交流の場の提供
・社会課題解決への取り組み
などに取り組んでまいります。

NFT購入でスタジアムの1㎡を所有できる「鎌倉スタジアムNFTプロジェクト」

ーーー(編集部)このユニークな「鎌倉スタジアムNFTプロジェクト」について概要を教えてください

鎌倉インターナショナル 勝碕

「鎌倉スタジアムNFTプロジェクト」は、神奈川県鎌倉市を拠点とするサッカークラブ「鎌倉インターナショナルFC」が実施する革新的なNFTプロジェクトです。

「スタジアム芝生1平米オーナー」というアイデアをNFT化し、サポーターがデジタル上でスタジアムの1㎡を所有できる仕組みを導入します。

鎌倉インターナショナル 勝碕

これにより、NFTオーナーはゲームへの参加権利、限定コミュニティやイベント参加、特典の付与など、クラブやスタジアムに深く関わる体験ができます。スポーツとWeb3技術の融合による新しいファンエクスペリエンスを提供し、地域と共に現在および未来のスタジアムを創り上げていくことを目指しています。

ーーー(編集部)「スタジアムの芝生1㎡のオーナーになる」というアイデアはどのように誕生したのか?教えてください

鎌倉インターナショナル 勝碕

スタジアム建設には多額の資金が必要です。
スタジアム建設のために向けたクラウドファンディングを実施しましたが、寄付を募るだけでは持続性がありません。

そこで、参加型の仕組みをつくろうと考えました。
サッカーグラウンドはサッカークラブの象徴でもあり、そこに1㎡ごとのオーナー制度をつくれば「自分の場所がある」という誇りや愛着が芽生えるのでは、と着想しました。

ーーー(編集部)NFTを活用しようと思ったきっかけがあれば教えてください。また、NFTを活用するからこその相性について教えてください。

鎌倉インターナショナル 勝碕

もともとの1平米オーナー制度では、特定の場所との紐づきはありませんでした。
NFTを活用するとともに、そこにビジュアルとして特定の場所を可視化することで、今まで以上に所有する感覚を得られるのではないかと考えました。

FiNANCiEトークンを通じて、Web3的な思想にも触れたことと、RWAという世界観を目にしたことも影響しています。

応援が「観戦」から「参加」へ|SHOOT ZONE

ーーー(編集部)NFTを保有することで、具体的にどのような体験ができるのでしょうか? 特に、試合と連動するゲーム「SHOOT ZONE」について詳しく教えてください。

鎌倉インターナショナル 勝碕

「SHOOT ZONE」は、自分の1㎡区画と実際の試合が連動する仕組みです。

試合中にボールが自分の区画に落ちて得点が生まれればリワードがもらえる、というゲーム性を加えました。
応援が「観戦」から「参加」へと変わる、全く新しい体験です。

ーーー(編集部)実際に「SHOOT ZONE」でリワードを獲得した方はいらっしゃいますか? もしあれば、どのようなドラマがあったのか、印象的なエピソードを教えてください。

鎌倉インターナショナル 勝碕

ホーム戦だけがSHOOT ZONEの対象になるのですが、今季の鎌倉インテルは得点力が高く、ほぼすべての試合でリワード獲得のチャンスが生まれています。

実際にたくさんのリワードを発送しています。
https://note.com/stadium_nft/n/n77e5fe74f378

鎌倉インターナショナル 勝碕

私たちはリワードを高級な何かではなく、「私達でしか提供できない唯一無二の価値」を届けたいと考えています。

そのため、紙製でも重厚感があるデザインを施したギフトボックスに、得点を決めた選手のサイン入りオリジナルステッカーなどがリワードになっています。

実際に受け取ったファンが、選手から届いた暖かいプレゼントとして喜んでくれていたことが印象的でした。

ーーー(編集部)このプロジェクトを通じて、ファンやサポーターとの関係性にどのような変化が生まれることを期待していますか? 目指すのは、どのような「新しいファンエクスペリエンス」なのでしょうか。

鎌倉インターナショナル 勝碕

従来のスポーツと人との関わり方は「観る人」と「プレーする人」に分かれていました。

ただ、スポーツを最大限楽しむそれ以外の方法として、クラブやチームの中に関わることもあると考えています。

一緒にクラブやスタジアム、その地域のスポーツ文化を一緒に作っていくこと自体を楽しむような関係性にアップデートできればと考えています。

ーーー(編集部)実際にNFTを購入されたのは、どのような方々が多いのでしょうか? 長年のサポーター、地域の方、あるいはNFTや新しいテクノロジーに興味を持つ方など、購入者の属性や動機について教えてください。

鎌倉インターナショナル 勝碕

70代のサポーター、鎌倉の地域の方々、サッカーが好きな遠方の方、NFTやブロックチェーンに興味がある遠方の方、海外のサッカーファン、など多岐にわたります。

鎌倉インターナショナル 勝碕

チームの応援、選手の応援、地域のスポーツ環境への支援としての気持ちが強い方もいれば、NFTやブロックチェーンの世界観を体験したい方も多く関わってくれています。

また、「NFTをキッカケにして初めて生でサッカーを観戦した」というお話も聞いています。

どのようなキッカケでも良いので、クラブやスタジアムの活動に興味を持っていただくことに繋がっていることを知ると実施する意味を強く感じます。

ーーー(編集部)購入者の方から、何か印象的な声やフィードバックは届いていますか? 「自分の区画でゴールが決まった!」といった喜びの声などがあれば、ぜひお聞かせください。

鎌倉インターナショナル 勝碕

複数のNFTを所有している70代の男性が、「自分の所有する場所を覚えられないから」と手書きで、自分のNFTの場所を書き写したノートを手にもって試合を観ていたのが印象的でした。

「俺の場所はあのあたりなんだよ」と嬉しそうに話してくれていたこともあり、「NFTを持つことでの所有感や参加感が高まるのでは?」という仮説に自信を持つことができました。

ーーー(編集部)このプロジェクトは、クラブの「CLUB WITHOUT BORDERS」というビジョンと、どのように繋がっているのでしょうか?

鎌倉インターナショナル 勝碕

国や地域の枠を超えて、世界中の人が「鎌倉スタジアムの一部」を持てる。この仕組みは「CLUB WITHOUT BORDERS」を体現しています。

また、「CLUB WITHOUT BORDERS」は直訳すると「国境なきクラブ」ということになりますが、「自分たちの限界を持たない」という意味も含んでいます。

鎌倉インターナショナル 勝碕

アマチュアサッカークラブが、サッカークラブという枠を超えてこのプロジェクトを立ち上げて広めている活動や、こういった挑戦をすることこそが「CLUB WITHOUT BORDERS」という理念を体現していると考えています。

「クラブ経営の新しい資金調達モデルの一つ」として注目を集めている

ーーー(編集部)「SNPIT」とのコラボなど、積極的に外部連携も進めていらっしゃいます。今後、外部との連携を含め、このプロジェクトをどのように発展させていきたいですか? 構想中のアイデアがあれば教えてください。

鎌倉インターナショナル 勝碕

外部連携をすること自体も「CLUB WITHOUT BORDERS」という理念の体現でもあります。

鎌倉インテルの活動を鎌倉インテルに留めず、様々な企業やプロジェクト、人物を巻き込んでいくことで新たな価値を生んでいけると考えています。

鎌倉インターナショナル 勝碕

ビジネスとしては、外部連携によってファンベースが広がりNFTが売れることを目指しています。もちろんその先には、鎌倉インテルのファンになってくれることも目標になります。

ーーー(編集部)今後「鎌倉スタジアムNFTプロジェクト」は他のスポーツクラブや地域コミュニティにとっても、非常に参考になるモデルケースだと思います。この取り組みを通じて、スポーツ界全体にどのような影響を与えていきたいとお考えですか?

鎌倉インターナショナル 勝碕

この取り組みは「クラブ経営の新しい資金調達モデルの一つ」ともいえます。
スポーツクラブやスポーツ施設の資金調達やファンベースの拡大、ファンエンゲージメント向上に資することができればと思います。

ーーー(編集部)実際に他のスポーツチームから受けた質問や相談があれば、お答えできる範囲で教えてください

鎌倉インターナショナル 勝碕

すでに複数のJリーグクラブや地域クラブ、サッカー以外の競技団体からも問い合わせをいただいています。

国内にとどまらず、海外クラブからも問い合わせがありました。それだけ注目度が高いのだと実感しています。

鎌倉インターナショナル 勝碕

スタジアムの所有権との切り分けについて質問をいただくことは多いですが、私たちは所有権ではなく、「所有感」と表現しています。

所有権と紐づける前提では、指定管理で運営されているスタジアムなど、プロジェクト遂行に制限が生まれてしまいます。

ーーー(編集部)最後に、まだこのプロジェクトを知らない方々、そして未来のオーナーになるかもしれない読者に向けて、メッセージをお願いいたします。

鎌倉インターナショナル 勝碕

「CLUB WITHOUT BORDERS」という理念を掲げてクラブを立ち上げスタジアムを建設してきた鎌倉インテルは、今初めてクラブの存在を知った方も含めてみんなが関われるサッカークラブです。

誰かが言い始めた「みんなでつくろう鎌倉インテル」。
鎌倉スタジアムNFTプロジェクトがそのキッカケになれば嬉しいです。

ぜひオーナーになって、自分のスタジアムに遊びに来てください!

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