蒜山から自然環境保全のスタンダードに |NFTを活用した絶滅危惧種との新たな関わり方

まず毎年必ず成し遂げないといけないのは、第1に参加者の安全確保、第2が周囲の土地への延焼防止の徹底です。単に山を焼いて終わりではなく、これらが達成されていなければ、翌年以降の山焼きは実施できなくなるでしょう。
そのため、参加いただくボランティアの皆様には、オンライン事前講習会か、当会のYoutubeチャンネルで配信している事前受講の動画をセルフで閲覧いただき、山焼きの必要性や山焼きの流れ、各自の装備など、よくご理解をいただいた上で、ご参加いただくようにお願いしています。 

また、当日も改めて、その日のスケジュールや班ごとの動きの確認、各自の装備の点検、ジェットシューターというボランティアさんが担ぐ火消しための水嚢（20Ｌのタンク）付きの水鉄砲の使い方などを事前に確認して、延焼がなく、皆さん安全に山焼きを終えられるように徹底しているつもりです。 
　しかし、それで終わりではなく、よりよい作業にしていくために、毎年、終了後にボランティアさんにアンケートの回答をお願いしており、満足度や改善点などのご意見を募り、翌年の山焼きの改善に努めています。 

壁というほどのものではありませんが、NFTや3Dモデルがどのようなものか、聞いたことがない方に対して、如何にわかりやすく伝えるかを意識してコミュニケーションをとるようにしました。
また、今回のプロジェクトの結果、協議会として、活動資金が得られるだけでなく、今まで接点が無かった方々とつながって、保全活動を知って応援いただける方や具体的に現場作業に来ていただける担い手の方が増えることにつながるという、大きなメリットが期待できるということを、お伝えし、ご理解いただくことに腐心しました。 

一方で、フサヒゲルリカミキリの生態や、当会で取り組む環境保全活動の内容、環境省として取り組まれているフサヒゲルリカミキリの保護増殖事業との関連から、WEBサイトやプレスリリースをご覧いただく方に、誤った内容が伝わって誤解を生じてしまうことが無いように、当会に委員としてご所属いただいている専門家の方々や環境省のご担当者にご相談し、WEBサイトやプレスリリースでの表現に配慮して参りました。 

当会関係者に初めてお話する際には、私と同様に「NFTやWEB3って何？」という反応をされる方がほとんどでした。恐らく、今もそのような方が多いと思いますし、お伝えした内容の全てが伝わっている方は少ないと思います。
それでも協議会の取り組む保全活動が前進するなど有益ならば、と賛同してくださる方は多かったですし、皆さんのご期待に恥じないようにこのプロジェクトを進めていき、必ず成果を積み上げていきたいと思います。 

まずは世間や周囲からどのような反応があるか不安と期待感でいっぱいなのですが、うまくいく兆しが見え始めたら、ぜひまたICHIZEN HOLDINGSさんにご協力いただき、他の生物の3Dモデルの作成・販売にもチャレンジしたいと考えています。 

また、購入いただいた方との交流の中で、購入者限定の環境保全体験やエコツアーの実施などのご要望をいただけるのであれば、新たなメニューとして検討して参りたいと思います。