『真庭モデルから全国区へ』地域資源×NFTで真庭市が目指す新たな地域との関わり方

岡山県真庭市の「NFTを活用した地域資源活用事業実施業務」から生まれた「ネイチャーダオ真庭3100」。
この記事では、真庭市の副市長である、伊藤敦哉氏に本プロジェクトへの期待と行政としての狙いを伺いました。

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新たな技術の活用で真庭に興味を持つきっかけを創出する

ーーー(編集部) 「ネイチャーダオ真庭3100」について、副市長としてこれまで注目されてきたと伺っています。まず、この取り組みに対してどのような点に魅力や可能性を感じていらっしゃいますか?

真庭という地域の自然や文化、真庭が大切にしたい財産を将来に継続していくためには、人口減少が進む中、市民、行政だけでなく様々なステークホルダーの力が必要だと考えています。

今回、NFTという新たな切り口による取り組みによって、財政的なメリットではなく、真庭との『新しいつながり』がうまれる、こういったものを将来につなげていくという点で非常に可能性が広がる取り組みだと感じています。

NFTの具体的なイメージは難しいと思われがちですが、こうした新たなデジタルテクノロジーによる広がりがこれからは行政にも必要だと考えていますし、私の知る限り岡山県内では初めての取り組みだと思うので、先進性があり可能性が広がるものだと考えています。


ーーー(編集部) 自然保全に対する真摯な姿勢と、NFT・3Dスキャンといった先端技術を掛け合わせたこのプロジェクトが、他の施策とは違うと感じられた点があれば教えてください。

NFTという新規性がある中で、これまでの施策と違う点という意味では、目指すターゲットが異なると考えてます。バイオマスやSDGs、共生社会など、真庭市がこれまで取り組んできた部分に共感していただいている方がいる中で、このNFTによって新しさや面白さというアプローチができると感じています。

これによって以前までとは異なる関わりや新たなつながりが生まれる。NFTだけではなく、絶滅危惧種の3Dスキャンデータなどは国内のみならず、海外にも興味を持っていただけると感じているので、より広がりがあるのではないかと考えています。

また、真庭市、蒜山地域が有する里山文化そのものの「価値」を認識してもらうための手段、一つの切り口として非常に意味があると感じています。

ーーー(編集部) こうしたデジタルと地域資源の融合的な試みに対して、真庭市の行政全体としてはどのように位置づけておられますか?

市の政策としては、日本全体で人口減少が急速に進みつつある中で、そのスピードを緩やかにしていくことが大事だと考えています。そのためには多くの備えが必要になってきます。

この課題に対して、行政だけで取り組むのではなく、市民の皆さんにも支えていただきたいですし、その周りの皆さんにも支えていただきたい、こういった幅広い関わりのきっかけになればと考えています。

また、『フサヒゲルリカミキリNFT』を購入される方にとっては真庭市そのものへの思いは少ないかしれませんが、これが真庭市を認知し、興味を持っていただくきっかけになれば嬉しく思います。

自然保全や環境保護活動は、「蒜山自然再生協議会」を中心に精力的に活動していただいてますが、現在はその輪が広がりつつあるので、そういった支援の輪が広がるきっかけにもなってもらえたらと嬉しいです。

「真庭モデル」を全国に派生させる

ーーー(編集部)真庭市としてこの「ネイチャーダオ真庭3100」を今後どのように展開していきたいとお考えでしょうか?市としての方針や期待している広がりなどがあれば教えてください。

繰り返しになりますが、市の課題である人口減少に対して、真庭との関わりを増やすこと。その入り口やきっかけになってくれればと考えてます。またこうした新たな取組が機能することで、ふるさと納税のように真庭市としての新たな財源の獲得につながる可能性があると感じています。

ーーー(編集部)今回のような「自然資源をデジタル化し、資産化・共有していく」という取り組みは、他の自治体にも応用可能と感じられますが、真庭市がモデル地域として担うべき役割についてどうお考えですか?

真庭という「平野と山間地域の中山間地域」だからこそこのモデルの価値があると考えています。
真庭だからこそ提供できる、リアルや歴史が紡いできた時間軸から見える文化、あるいは自然が享受してくれる景観や空間、こういったものがテクノロジーによって世界とつながっていく。

真庭市が先進的に取り組んでいくことで他の中山間地域にとって明るい希望になれば、積極的に横展開をしていくことが重要だと考えています。

ーーー(編集部)最後に、このプロジェクトに関わる地域の方々や、今後全国に広がるかもしれない関係者に向けて、一言メッセージをお願いいたします。

まずは『フサヒゲルリカミキリNFT』を通じて、真庭市の大切にしてきた自然や景観、文化に触れていただければ嬉しいです。

そのうえで、実際に真庭市・蒜山高原に足を運んでいただき、真庭の空気に触れていただきたいです。
このようにして、本当の意味で真庭とのつながりをもっていただきたいし、そういった取り組みになっていくことを願っています。

ーーー(編集部)伊藤副市長、ありがとうございました!引き続きよろしくお願いします!!

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